こんにちは。
ブログをご覧いただきありがとうございます。
今回は、英語教育のプロフェッショナルR.Kさんをご紹介しています。
【R.Kさんのプロフィール】
大学卒業後、機械メーカーに就職。その後アメリカの語学学校へ留学し、サンフランシスコの大学院へ進学。英語教授法TESOLを学ぶ。
卒業後は、現地ビザでアメリカの語学学校へ就職。
日本へ帰国後、児童英会話講師を経て、現在は英語教育系企業でネイティブ講師トレーナー兼カリキュラムディレクターを務めている。
1回目はこちらです。
今回は2回目になります。
続きの質問にいきますね。
3.留学先ではどんな驚きや学びがありましたか
まずアメリカで語学学校に入り、大学院への出願のため毎月TOEFLを受け続けました。
なかなかスコアが上がらず、焦りと不安を感じる日々。
このときの経験があるから、語学学習は右肩上がりに順当に伸びていくものではないと分かっています。
上がって、停滞期があり、また少し上がってを繰り返していきます。
語学学校でも充分学び必要なスコアを取り、いよいよ大学院に入学!
ところがそこでも、こてんぱんに打ちのめされてしまいます。
何しろ英語のスピードについていかれないのです。
教授の言っていることが分かりません。
ディスカッションは聞いているだけ、まったく加われないのです。
もう真っ青になりました。
それでも1タームが終了し、少しずつ慣れていきました。
日本人も5~6人はいましたが、アメリカ人を誘ってスタディグループで助け合いながら学んでいきました。
大学院では、英語教授法 TESOL(Teaching English to Speakers of Other Languages 英語を母語としない学習者へ向けた英語教授法)を学んでいました。
このときの経験で良かったことがあります。
ネイティブの中に留学生が在籍している教室の中で教授が言いました。
「留学生のみなさんが英語を習得してきたプロセスや悩みを、クラスの中で積極的にシェアしてほしい。それはこのクラス全員の貴重なリソースである。」
英語を学習した上で、大学院へ学びに来ている私たちノンネイティブの「英語学習者としての存在」を認めてくれたのです。
元から英語ネイティブの学生も、初めて触れる言語を学習することになっています。
そこには重要な目的があり、習得するまでの学習者としての苦しみや悩みを自ら体験を通して学び理解する。
そういった感情の経験なくして、自分たちの生徒である学習者の気持ちに共感し、寄り添える良い教師にはなれないからです。
また、サンフランシスコは移民が多い地域でもあり、彼らがどのように英語を習得していくか見学する機会があります。
移民にとって、言語は切実な問題です。
英語が話せないと、なかなか仕事には就けません。
母国で医師や弁護士だったとしても、英語ができないだけで能力やスキルは認められず雑用の仕事に。
英語でコミュニケーションが取れることは、その国で必死にサバイブするための手段です。
英語を使えることに、その人の人生がかかっている。
それを充分に分かっているコミュニティ・カレッジ(地域住民のための教育機会提供の場として設立された2年間の高等教育機関)で移民に英語を教える教師は、使命感を持っています。
彼らの英語学習の目的・価値観を理解し、重責を担っています。
こういった場にも、自分でアポを取り、何回も見学に行きました。
理論と実践を繰り返しながら学び続けていく中で、言語、人種、ジェンダー、宗教などその人の持つ特性による差別や分断も見てきました。
多様性を理解する機会の必要性を痛感します。
共に生き、共に存在する。
人と人がつながっていく。
繋いでいくのが言葉なのだと思うのです。
英語が全てではないですが、今、多くの場で広く使われているのが英語。
それを使うことで、世界の人々と繋がり、交わり、可能性も広がると思っています。
4.帰国後はどのような仕事をされていますか
子どもが好き、教えることが好き。
帰国して2年間は、この2つが叶えられる「子どもに英語を教える」仕事に就きました。
実際に始めてみると、子どもに接する時間が想像以上に少なく2-3割程度。
7-8割は、保護者対応、生徒募集、アドミン系、行事等に注力しました。
教えるスキル以上に、クラスマネジメントが大変だと実感しました。
この時期に、子ども達はどういう先生が良いのかを教えてくれました。
子ども達のおかげで、先生にさせてもらった、育ててもらったと感じており、今でも感謝しています。
その後、今の会社では英語教育のカリキュラムデザインの構築を担当しています。
実際には、小学校・中学校・大学から依頼を受けて、授業のカリキュラムをデザインします。
授業に求められるネイティブ講師のトレーニングを行い、アセスメント評価までの一貫した英語教育を実践しています。
「カリキュラムをデザインすること=生徒の未来をデザインすること」だと思っています。
いかがでしたか?
次は、アメリカで仕事を始めてからのお話も!
実際に現地で働くのはビザの関係もあり、非常に難しいのです。